国試対策の本当のスタートはCBT終了後の情報収集から

2/22/2019
  • 4年生
  • 5年生

平成31年2月9日・10日に第113回医師国家試験(通称「国試」)が行われました。

国試受験を控える医学部の皆さんからアンケート形式で質問を集ったところ、最も多かったのが「国試対策はいつから始めるか?」でした。

膨大な試験範囲からの出題だからこそ、皆さんが「実際にいつ頃から始め、どのような対策を立てているか」について知りたいのは当然でしょう。そこで今回は国試をパスしたHさん(女性、平成26年卒業)にインタビューを行いました。

 

—ズバリお伺いします。国試対策を始めた時期はいつでしょうか?

私の場合は病棟実習が始まる5年生の4月から実際に問題に取り組み始めました。しかし私のある反省を踏まえて、4年生の皆さんであれば、共用試験のCBTが終わってから実習が始まる前までに情報収集を怠らないことこそが、国試対策を無理なく進めるために大切だと思います。

 

—具体的には、どういうことでしょうか?

実習は各診療科をローテーションします。なので、私はそれに合わせて同じ専門分野を学習しました。例えば実習が循環器科であれば循環器科の出題範囲、精神科であれば精神科の出題範囲、といった具合です。

 

—なるほど、そうすれば国試対策だけでなく、臨床的にも頭に入りやすいですね。実に理に適っています。それはHさんのアイディアですか?

いえ、私の大学では、周りの同級生もだいたい同じようにやっていました。それで国試につまずく、ということはなかったようです。

 

—国試は膨大な試験範囲から出題されます。Hさんの場合、5年生の4月から始められたということは、試験のある6年生の2月まで、およそ1年10ヶ月の学習期間になりますね。問題はありませんでしたか?

私の反省はそこです。例えば循環器科などの実習が大変で、国試の出題範囲も広く、初めの実習時は試験範囲の学習をカバーできませんでした。

 

—それでは、どうやって勉強できなかった箇所をカバーしたのでしょうか?

あくまでも「私の場合」はですが、同じ科の実習のローテーションが2回ある場合もありました。2回目に回った時に終わらなかった箇所をカバーしました。ローテーションが1回だけの場合は、精神科のように実習でも試験範囲でもそれほど時間のかからない診療科のところで余力が出来るので、その時にカバーしました。

もし事前に「どの診療科の実習が大変か」ということを知っていれば、もう少し余裕を持って進めることが出来たと思います。ですので、情報収集が必要となるのです

 

—なるほど。どこが大変か、どこが比較的余裕があるか、その情報が事前にあれば対策も立てやすいですね。

ええ。ただしこれはあくまでも私の大学での話であって、各大学によってカリキュラムなどが異なるため、一概には言えません。「自分は5年生の4月からスタートで良いのか?」などを見極めるためにも情報収集が必要なのです。

 

—なるほど、全国の医学部生の皆さんが、ご自身の実情に合わせるためには、具体的に大学のカリキュラムなどがどうなっているかも押さえておく必要がありますね。

そうです。4年生に限らず、早め早めに自分の大学の先輩や友人から「どの科の実習が大変か」などの情報を集めておけば、実際に国試対策を始める時には、どの試験範囲をどこでカバーすべきか、だいたいのスケジュールが見えていると思います。

 

—備えあれば憂いなし、ですね。つまり「国試対策問題集などを解き始める時」ではなく、「情報収集に取りかかる時」こそが、本当の国試対策スタートとなるわけですね。

そうですね。大学によってCBTの実施時期は異なりますが、CBTが終わると「いよいよ国試が近づいてきた」と医学部生は本気モードに切り替わります。ですので、CBTが終わって実習が始まる前までに情報収集をしっかりしておけば、慌てることも少ないと思います。

まだ情報収集をしていない4年生、あるいはすでに実習が始まっている医学部生でも、今すぐ取りかかれば決して遅くはありません。

 


 

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